こんにちは。
つつじ荘スタッフのイブです。
これは、何でしょう。

夜の直島の風景を撮った一枚です。
もちろん、肉眼では木とかもっと見えますよ。
私の携帯のカメラの性能が悪いからです。
だけど夜に山側の、街灯もない道をジョギングしていると、新月の夜には足元も見えないくらい暗いことがあります。
だけど視覚に頼れないと、ほかの器官が敏感になるのです。
あたたかくなってくる池の水の匂い、
木の呼吸する気配、
耳たぶに触れる、潮風と山の空気がまじった風。
暗いけど、何も怖くない。
ルドンの版画展を見に行った時、黒というのは優しい色なのだと思いました。
どんな色も包容してくれる、ふところの深い色なのだと。
遠ざければ闇は敵になるのかもしれないけど、身を任せればとても優しいのです。
もうひとつ。
イタリアのウフィッツィ美術館で、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」を見たとき、その美のオーラに圧倒されました。
もし目が見えなかったとしても、きっとこの美のオーラを全身で感じ取ることができるだろう、と思いました。
アートは視覚的なだけのものではないのです。
人は見た目が九割。
そんな本のタイトルが記憶に新しいほど、現代は視覚が肥大化した時代。
こうしたネット上のツールでも、いかにビジュアル的に訴えかけるかが重視されます。
たまには、そんなふうに酷使された視覚を休めて、暗闇に身を預けてみませんか。
直島にはまだ、ネオンに汚されない美しい闇がところどころに残っています。
ちなみに私が体験した一番暗い夜は、沖縄のやんばるの山の中。
暗すぎて、本当に何一つ見えなくて、自分が存在しているのかすら分からない、
リアル南寺。
懐中電灯なしで歩けるか、自分の五感を試してみようとしたら、速効で溝に落ちました。
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